7.その藍色魔法使い(後編)
「ン
なァ
んッ
て
勘ッッ違いしないでよね!誰があんたなんかに!
やられるもんですか、ツンデレなめんじゃないわよおおおおおおおおお」
「!!」
変!
身!
「にゃがああああ」
憧憬『ヘブンズどぁ』
……どーして今まで、本気ださなかったのかー?
……
出せなかったのよ。この姿は。
今の、魔法の森の人形師アリス・マーガトロイドにとってはね。
今の私にとっては、この姿は、もしもでしかなかったから。
泡沫の夢。たぶん、あなたと同じ。
“ここ”が幻想郷では、無かったから…
………
どこにも無いのよ。「本当は」「本当の自分は」なんて。
けど、だからこそ。…
「…少なくともわたしは、今のマーガトロイドって名前は、気に入ってるわ」
「そーなのかー」
………………
…………
……
「さ、行きましょう。ここは寂しいわ」
「…みんな、あたしがこんな事して
いじめたりしないかな?」
「なーに言ってんのよ、ほら
大丈夫よ」
「爆散するわ!みて」
「ショックに備えて!」
わ―――――――――
は―――――――――…
――でも、おねえちゃんはそれでいいの?
――本当はすごいんなら、みんな見直すかもしれないのに
――まりさも見直すかも?はん、だから何?
――運命。因果律。そんなもんに私はね、
本気出さなくっても余裕で負けないわ。
ひゅるるるる
ぐっはあああ
帰ってまいりました
「てめーらうぜー!」
「死ぬかと思った」
そんな朝。