7.その藍色魔法使い(前編)




まがとろ

……

まがとろ178

……

まがとろ179

「うにゃあああ」
「吐き出せええ」

まがとろ

「…どこここ」

まがとろ180

「まりさっ」


「永琳、なんの…」

「病人連れて逃げて!落ち着いて、状況は変わったのよ!」

「ちょっとまて、アメと関係者まとめてどっかーんで萃香復活って肚じゃ無かったのか!?」

「その薬が失敗したのよ、分かるでしょう!
いいから遠くへ、朝帰りで!あなた達さえ無事なら幻想は死なない!」

「ふざけんな大体逃げるってな」


後ろ、あぶなー

まがとろ181

「弾いた!?」
「無重力、
巫女の能力の極点?楽園の素敵な絶対領域!?」

「妖怪だなもう」

「――使えるっ
結果オーライだぜ永琳
悪いな霊夢、もうちょっとこのまま眠っててくれ」

まがとろ182

「ふにゃ?」

ウフフ

まがとろ183

「もう、あのバカ…」

霖「状況が変わったとは?博士」

琳「…ずっと気になってたのよ。あの子、リボンはどうしたの?あの子の封印と聞くリボン」

「解けたんじゃないかな、強くなって」
「強くなったら弱くなるのではなくて?…というのは冗談だけど」



琳「――まともな話をしましょうか。
封印は簡単に解けないから封印なのよ。
弱者が、強者に対抗するための術なのだから。
強いのならただ潰せばいい。非力な者が、力量差に関わらず属性の違いを突くことで力で勝る相手に対抗する、それが封印。
さっきメガネっ娘がやったようにね。
力量差を、量を問題にしないからこそ意味がある。だから力量が変わったからといってすぐ霧散していては困るのよ、リボンは。

あの姿には疑問がある。
封印とはかかった罠みたく外す外されるとかじゃない
牢から手枷のように、力量が変わろうが、金髪美人に貧弱なボウヤといわれた僕にサヨナラしようが、リボンはあの子について回るはずなのよ。
強引に解いたんだと強弁もできるけど、今、特効薬の失敗がひとつ可能性を示唆するわ。

私は自分の術と薬に自信がある。失敗はない。絶対ない。無いったら無い。
今それを信じていいのなら、では、目の前のあの子が何か違うのか?
唯一おっきしち…大っきくなっちゃったあの子は?
そう、あの大っきいのはおそらく力場。
フィールド。
仮象。
ハリボテ。
作用点。
闇。
なんでもいいわ、とにかくヤゴコロウイルスはあの子本体には届いていない。本体はもっと奥。
もともとあの子はあの子を律する封印をつけていた。それとアメ効果が反発しあってエネルギーは彼女の周囲の闇へ。
そしてもう一本。さらにもう一本。アメを食べ続けることであの子特有の闇はあの形になった、そう考えるのが妥当ね。食欲旺盛だこと。
どうして彼女は彼女の想像の自分にリボンを付けなかったか?
その問いはまあ、彼女のみぞ知るところね」



霖「ふむ。――まともなおっぱい まで読んだがそれはつまり、どんな状況と?」

琳「あの巨大な物体は幻想郷じゅうから集まったたエネルギーの塊ということね」

「なら、アリス君は…」

「それは、なんとも言えないわ」

まがとろ184

「これも中身は飴だったのね

これがここにあるって事は、ここはあいつの体内…だけど…暗いわね

教育テレビとか体内って明るいのにー

!」

まがとろ185

ルーミア

まがとろ



まがとろ186

(あれは…まりさ?よかった、みんな無事)
「…………
短刀直入に言うわ。これを食べて、もとに戻りなさい」

「やーよ」

まがとろ187

ねえおねえちゃん、まっくらやみの気持ちってわかる?
なにもなくて、無力で、いてもいなくてもおんなじ。世界があたしと関係なくどんどん進んでくの。
きっとほんとのあたしはこんなじゃないのにって思って、リボンを外そうとしても、暗くてよく見えなくて、
がんばるけど、そのうちあたしの手も、かおも、いつか消えちゃうの。まっくら闇のなかに。

きっとこれがほんとのあたしの力なんだよ
だから、それを食べるのは、いや。

「………」

ここはあたしの世界。あたしのための世界。

まがとろ

幻想郷でもないどこか。あたしにはわかるの
だっていつかきっと幻想郷も、闇にのまれて消えちゃうって思ってたもの。


「…それでも、戻しなさい」

「いいよ。勝負する?
いっとくけどお姉ちゃんはここじゃあたしに勝てないよ」

「たいした自信だわね!」

まがとろ188



ねびゅらまがとろ189ちぇいん



まがとろ190

「ここはあたしの闇のなか
ね、闇にかえろ
もうあなたを助ける人はいないもん。退場しよ。
おねえちゃんの役はもう、終わり」

まがとろ191

わたしの役、わたしは

まりさは…

まがとろ

そっか。

ジョーカーだ、まりさは。まりさたち二人だけは。

わたしとは違う…
役は…


終わり…