5.その緑色魔法使い(後編)




あるところに、いかれた科学者がいました

まがとろ111

「今日は何をしてるのかしらー」

「面白いことかえー」

「この幻想郷にプライバシーってもんは…」

まがとろ112



まがとろ113

「………」

まがとろ114

「…それで?」

「……………」

まがとろ115

「――の薬を作ってみてるのよ。これが試作
まだデリケートなものだけど」

「へえ〜」

「ものすごく興味あるわね」

「師匠!大変です!

姫と妹紅さんがまた喧嘩を!
表で弾幕ごっこ始めちゃいましたー」

「もー何仲良くゲームしてたんじゃないの?あなたも粗相無いよう言ったじゃない、ちゃんとしてねって
姫に伝えといて即刻止めないと回線引っこ抜くって
まったく、あーだこーだ〜
あなたもそーだらどーたら〜…」

まがとろ116

「こーゆーのは酒を入れるとうめーんだ」
「効果が強まるように境界いじりましょう」
「お茶うけが欲しいわ、砂糖とかなかったかしら」

まがとろ

「ちょっとウドンゲ、聞いてるの?」

「はい、あ、あの師匠」
「なによ」
「その薬ですけど止めたほうが…」
「何?なに?ケチつけるわけ?私の自由は?」
「いえその全くはい、いや」

「おお飴っぽい、いただきまーす」



「食べてます」


まがとろ117

「…留守かな?
督促に来たのになー

お」

まがとろ118

「ちょうどよかった、 まり
ぎゃ―――――」

まがとろ119

萃香が

まがとろ120

その日幻想郷に飴が降った

まがとろ121

「おそらく彼女の、密と疎を操る程度の能力が暴走したのでしょうね
ざっと解析した限りじゃこの変成飴、身体能力は因果の制約(強いほど弱く、弱いほど強く)を受けても、特殊能力
――アイデンティティに係る部分は敏感になる傾向にあるみたい。
飴には原材料に百万分の鬼が含まれてるわ」

「霊夢は追加の買い出しに行ってたようだ
魔理沙が言うには、程なく飴を握った状態で倒れている所を…」

「彼女の能力は?」

「空を飛ぶ程度の…何物にも影響されず、効果も受け付けず、決して束縛もされない程度の能力
、なるほど」

「二律背反ね」

まがとろ122

つまり、どいつもこいつも、拾い食いか…

まがとろ125

「さてと。それじゃ、そろそろ行くわ」

「どこへ?」

「紅魔館。まだ敵が来るみたいだから
首突っ込んだ以上は見届けなきゃね、不本意だけど」

「そう伝えておくわ。私も片付いたら向かう」

「ねえ永琳、一つ訊いていい?
ほんとは何を作りたかったの?」

「……」

まがとろ123

「能力変わらず、幼くだけなる薬です。何を思ったんだか。
ま、そんな事どうでもいいですね
それより」

     _,...,_
 (ヽ_ !"〈╋〉 `! /)
((⊂ iつゝ -―-ィ⊂i つ))
 ノ / |(・)。(・)| 、ゝ.ヽ
 (_└─ ヾ三ヲ └─’ノ
    ̄ ̄|    .l ̄


「何でしゅかこれは」
「ヤゴコロン・デストロイヤーです」

アンチメディシン。これを投与されるとその者の飴効果はキレイサッパリになります。時間が無かったので一つだけですけど。
神社に事情を伝えに行く前に師匠は言いました、万一の時は必要になるかもしれないと。そしてその時には私にこれを持ってきて欲しい、と
まだ師匠は帰ってきません…おそらく

「まんいちでしゅ」

「私は待っていた。あなたにその役を、お願いできますか」

「へ?あたし?」
「ええ」
「いいでしゅけど…なんで?頼まれたなら持ってけば」

「私が?これを?
こんな  形を  した  物  を?」

まがとろ124

「そんな事、そんな事ですって?
博学とか化石とか年増とか… …とか…… とか……
大事なことよ!
少女が嫌いな女の子なんて居ま」

まがとろ126

それとして異変

まがとろ127

「!」

闇!?

「?」

まがとろ112

わはー



つづく。